■
私が初めてSFというジャンルを意識して読んだ作品は田中芳樹先生の銀河英雄伝説だった。
読んだと言っても、当時一緒に住んでいた大叔父の書斎にあった愛蔵版を勝手に読んでいたというだけなのだが・・・
そのせいか幼い頃は銀英伝やスターウォーズのノベライズ作品のような、所謂スペースオペラ物ばかり読んでいた
それから何年かして高校に進学した際に伊藤計劃氏の虐殺器官と出逢い衝撃を受けた。
作品の内容に触れてしまうので具体的にどのような要素に衝撃を受けたかという点に関しては言及を避けたいと思うが、とにかく現代における対テロ戦における問題点(兵器などの技術革新による兵士個人の道徳心や倫理観の消失)と現代において何故人は争うことを止められないのかという点を見事に描き出している・・とだけ書き記しておきたいと思う。
それからというもの、私はディストピアもの(ジョージオーウェルの1984や渚にて)や
サイバーパンク系の作品(ウィリアム・ギブスンのニューロマンサー・モナリザ・オーヴァー・ドライブ)などを読むようになった。
なので私にとってSFとは、あってはいけない「負の未来」・私達が回避せねばならない人類の終わりを示すものであり、同時に私達に今後起こりうるかもしれない未来の社会における問題を示すものなのだと思う。
これを読んで下さった読者の皆さんにとってSFとはどのような存在だろうか?